調光レンズとは、紫外線量によってレンズの明るさが変化するレンズです。紫外線量の多い晴れの日はレンズが暗く(色が濃く)、紫外線量の少ない曇りの日や夜間はレンズが明るく(色が薄く)変化します。
晴れから夜間まで幅広い光量に対応できるとても便利なレンズですが、調光レンズならではの特性があり、おすすめしやすい使い方・おすすめしにくい使い方があります。
ぜひ調光レンズの特性を生かして、快適な視界でアクティビティを楽しんでください!!
・調光レンズの特性
・特性を生かした使い方
・おすすめしにくい使い方
・調光レンズ搭載モデル一覧(リンク)
・関連情報(よくある質問リンク)
調光レンズの特性
紫外線の強さによってレンズの明るさが変化しますが、以下のような特性があります。
レンズの色は『薄い→濃い』変化の方が早い傾向にある
徐々にレンズの明るさ(濃さ)が変化する
レンズの明るさ(濃さ)変化は瞬間的ではなく、徐々に変化します。
紫外線量や温度の条件にもよりますが、おおよそ
・明るい(薄い)→暗い(濃い):数秒~十数秒程度
・暗い(濃い)→明るい(薄い):十数秒~1分程度
で周囲の状況に合わせて変化します。
そのため『トンネルに入った瞬間に明るくなる』といった瞬間的な光量(紫外線量)変化には対応できません。
気温が高いときはレンズの色が濃くなりにくい
気温の影響を受ける
基本的には紫外線量が多い(太陽光が強い)ほどレンズの色は濃くなります。
しかし、同じ紫外線量を受けた場合でも、
・気温が高いときの方がレンズの色は明るく(色が薄く)
・気温が低いときの方がレンズの色は暗く(色が濃く)
なります。
特に気温の高い日にはレンズの暗さ(色の濃さ)が足りないと感じられることがあるかもしれません。
レンズの濃さが足りないと感じる場合には、別途レンズの色が元々濃いスペアレンズやサングラスをご用意いただき、使い分けていただくことをおすすめします。
またスノーゴーグル用調光レンズは、低温環境下で使いやすいレンズの明るさになるように調整されています。
使用しないときは光に当たらないようケースで保管する
徐々に調光機能が低下する。
調光機能は徐々に低下し、明るさが変化しにくくなります(紫外線カット機能に影響はありません)。
使用頻度が高い(紫外線に当たる頻度が高い)ほど、機能は低下していきます。
使用しないときはレンズに紫外線が当たらないよう、ケースに入れて保管してください。
調光レンズの特性を生かした使い方
暗くてもサングラスを外せない度付きは調光機能との相性が良い
度付き
度付きユーザーは、周りが暗い状況でもサングラスを外すことができません。
調光レンズであればレンズ1枚で使用できる光量環境が広く、「暗くて危ない」場面に出くわすこともほぼなくなるでしょう。
さまざまなアクティビティにおいて、度付きと調光は非常に相性の良いレンズ機能です。
朝晩の通勤ライドは調光レンズの特性を生かす使い方のひとつ
ロードバイク、ロードランニング
夜明けから日暮までロングツーリングしたい。朝晩の通勤ランを楽しみたい。
そんなシチュエーションは調光レンズが最適です。
着用しているとレンズの色の変化は感じにくいかもしれませんが、ちゃんとレンズの色は変わってるんです。この絶妙な色変化によって快適な明るさの視界を維持しています。
一方で昼間だけしか走らないような方は調光レンズのメリットを活かしきれません。スペアレンズを用意して状況に応じて使い分けることで、調光レンズの寿命を伸ばすという使い方もあります。
周囲の明るさが変化しやすい登山は調光レンズの特性を生かしやすい
登山、ハイキング
太陽光の届きにくい樹林帯や谷筋から、太陽光を受ける尾根筋やハイマツ帯まで、周囲の明るさに応じて適切なレンズの濃さに自動調整してくれる調光レンズは登山やハイキングに最適な機能です。
また夜明け前から行動を開始する際にも初めから着用しておけるため、行動中にサングラスを取り出して着用するような手間もなくなります。
ナイトセッションではクリアカラーが必須
トレイルラン(ナイトセッションを含むロングレース)
自身のヘッドライトを頼りに進むナイトセッションでは、最も明るいクリアレンズが必須。一方昼間セッションでは、長時間太陽光を浴びる眼の疲労を少しでも抑えたいところ。
そんな状況ゆえに調光レンズが活躍します。アイウェアを掛け替える必要がないということは、少しでも荷物を減らしたいというランナーの要望ともマッチします。
※日中のみのショートレースでは走行スピードも速まるため、レンズが調光するスピードが追いつかず、レンズのメリットが活かせないこともあります。詳細は「おすすめしにくい使い方」をご覧ください。
おすすめしにくい使い方
クルマの運転には専用開発されたULTRA LENS for Drivingがおすすめ
クルマ・バイクの運転
自動車ガラスやバイクヘルメットのシールドは紫外線カットされています。そのため内部で調光レンズを着用しても、紫外線がレンズに届かずにレンズ色がクリアから変化しません。
運転中の眩しさを抑えて視認性を上げるには、運転用に開発された「ULTRA LENS for Driving」おすすめです。
※オープンカーやオープンフェイスヘルメットは紫外線がレンズに当たるため調光レンズも有効です。
光量にかかわらず路面を把握しやすいULTRA LENS for Cyclingがおすすめ
マウンテンバイク、トレイルラン(昼間のショートレース)
どちらも日なたと日影を高速で行き来するシチュエーションが多いスポーツです。
特に日なた→日影の際にレンズが調光するスピードが追いつかず、視界が暗く感じてしまう可能性があります。
「暗くて路面が見えにくい」ことは転倒などの危険性に直結するため、日影でも路面状況を把握しやすいレンズの明るさに設定された「ULTRA LENS for Cycling」がおすすめです。
気温の低い環境では曇りでもレンズが濃くなる
高温下や極低温下でのアクティビティ
前途のとおり、調光レンズの明暗変化には温度依存性があります。
・「真夏の炎天下」ではレンズが濃くなりにくく
・「寒風の氷点下」ではレンズが濃すぎてしまう
このような状況下では別にスペアレンズやサングラスをご用意いただき、使い分けていただくことをおすすめします。
※スノーゴーグル用調光レンズは、低温環境下でも見えやすいレンズの濃さになるように調整されています。