夏山登山におすすめのサングラスとは?

特に夏山(無雪あるいは雪渓のみ)を想定したサングラス選びについて、おすすめの機能や使用シチュエーションについてまとめました。 
※ハイスピードで駆け抜けるトレイルランや冬期登山でのおすすめはあらためてご紹介いたします。

■登山と紫外線
■サングラス選びのポイント:レンズ
■サングラス選びのポイント:フレーム
■山行中の保管方法

■登山と紫外線

標高が上がると太陽光から隠れる場所もなくなる

一般的に標高が100m高くなると紫外線が1%増加するとされています。

そのため登山初心者でも登れる山として有名な東京の御岳山(929m)や大阪・奈良の金剛山(1,125m)であっても、平地より1割ほど多くの紫外線を浴びてしまいます。

高山でルートに雪渓を含む場合には照り返しも無視できません。晴れの日の雪面上では通常より4~5割も浴びる紫外線量が増加するといわれています。 

肌はもちろん、眼の紫外線対策も忘れずに行いましょう。

※各データは気象庁ウェブサイトより

サングラス選びのポイント:レンズ

ブラウン系は大き目のフレームでも柔らかい印象になる

①レンズカラー

『クリアもしくはスモーク系』『ブラウン系』がおすすめです。

登山の大きな魅力は「景色」です。クリアもしくはスモーク系のレンズは視界に色を付けないため、裸眼と同じ視界色で山の景色を楽しむことができます。

ブラウン系は肌なじみが良いのが特長です。いかにも『サングラス』な見た目が好みでない方は、ブラウン系のレンズを選ぶと柔らかい印象の見た目になります。

②レンズの明るさ

レンズの明るさは可視光線透過率という数値で示されます(どの程度レンズが光を透過するか示した数値。裸眼と同じ明るさの状態が100%で数値が小さくなるほどレンズが暗くなる)。

使用中に最も危険なのは『暗くて足元が見えにくい』状態です。
サングラスを外せば済みますが着脱は手間ですし、外した際の保管にも気を使います。可視光線透過率が30~50%程度あれば、ある程度薄暗い谷筋や樹林帯でも着用したまま視界の明るさを確保できます。

この可視光線透過率30~50%程度のレンズは『外から着用者の眼がうっすら見える』ことが多いです。相手から眼が見えることでコミュニケーションが取りやすくなる効果もあります。山の楽しみの一つは会話や挨拶。ちょっとしたコミュニケーションで得られた情報が安全に役立つことがあるかもしれません。

※SWANSのサングラスはレンズの明るさを問わず、すべて紫外線(UV)を99.9%以上カットします。

  • 可視光線透過率40%のレンズはうっすらと外から眼が見える

  • 谷筋や樹林帯でも明るさを確保することが重要

調光レンズ右側のみ太陽光を当てた状態

③レンズの機能

登山全般に使いやすいレンズ機能として『調光』があります。
調光は、紫外線(太陽光)の強さによってレンズ色の濃さが変化するレンズです。

太陽光が届きにくい樹林帯や谷筋から、太陽光を浴びやすい尾根筋やハイマツ帯まで、周囲の明るさに応じて適切なレンズの濃さに自動調整してくれるため、登山で使いやすい機能です。

また夜明け前から行動を開始する際にも初めから着用しておけるため、行動中にサングラスを取り出して着用するような手間もなくなります。

非常に便利な調光レンズですが、使用にあたって注意点もあります。下記リンク先もぜひご覧ください。


水面のギラツキを抑える偏光レンズ(イメージ)

調光と間違いやすいレンズ機能として『偏光』があります。
偏光は、雪面や水面などに反射したギラツキをカットして見えやすくする機能です。可視光線透過率も若干低め(レンズが暗め)になるため、晴れの高山や雪渓歩きで効果を発揮します。

しかし、偏光レンズにも使用にあたって注意点があります。
スマホ画面やカメラのディスプレイやミラーレスのファインダーなど、見る角度によっては見えにくくなる場合があります。最近は行動中にスマホの登山アプリで位置確認される方も多いと思います。画面確認の際にストレスが無いよう、試着の際に画面確認してみることをお勧めします。

『沢』で偏光レンズを使用すると、水面のギラツキによるまぶしさを抑える効果を得られます。しかし濡れた岩肌の照り返しが抑えられ、見え方が裸眼と差が出る場合がありますのでご注意ください。

■サングラス選びのポイント:フレーム

山行中に着用するキャップやハット、ヘルメットとサングラスを合わせて試着することをお勧めします。

着用した際に、フレームがおさえられて違和感や痛みが無いか?着脱しやすいか?アジャスター等と干渉しないか?確認しながら試着してみてください。登山では長時間の着用となるため、少しの違和感が痛みに変わる可能性もあります。

  • キャップ・ハット・ヘルメットなど合わせて試着してください

  • 試着時には確認しておくポイントがあります

試着時に確認するポイント

①着用した状態で、下を向いて軽く数回ジャンプしてズレないかどうか?
  →足元を見る状態でも容易にズレてしまわないかどうか確認しましょう。

②まばたきをした時、まつ毛がレンズと当たらないかどうか?
  →当たるとレンズが汚れてしまいます。長時間の着用では視界不良の原因になります。

③『笑顔』の時、頬とレンズが当たらないかどうか?
  →笑うと頬が上がりますので、その時にレンズと頬が触れているとズレの原因になることがあります。

④眉毛のラインとサングラスのラインが離れていないかどうか?
  →眉毛とサングラスのラインが合っていれば、見た目もカッコよくなります。

②~④はノーズパーツの位置を調整することで改善する可能性があります。

■山行中の保管方法

カラビナ付きのケースが便利

山行中にいちいちザックを下ろしてケースを取り出すというのは面倒です。
とはいえ、キャップやハットの上に載せていると、落として傷をつけたり、最悪紛失してしまうこともあり得ます。 カラビナ付きのケースをショルダーストラップなどに付けておくと、出し入れしやすく便利です。

もちろん、明るめのレンズにしておけば、そもそも着脱が必要な場面を減らすことができます。

■登山におすすめモデルの例

PW-0065 CBR

写真のモデルはPW-0065 CBR

Df.Pathway(ディーエフパスウェイ)

カジュアルな見た目で、アウトドアウェアとも合わせやすいモデル。柔らかくしなやかなテンプルはキャップやハットとの相性も良いです。

カラーバリエーションも豊富で調光・偏光など各種レンズを展開。


写真のモデルはSACR-0066 CSK

Airless-Core(エアレスコア)

軽く、包み込むようにフィットするスポーツタイプモデル。
大き目のレンズでしっかりと紫外線から眼をガード。
コシのあるテンプルで汗をかいてもズレにくい。




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